トップへ戻る
close LINE友達追加
close LINE友達追加 友達追加はこちら

褥瘡(床ずれ)の分類

創面の色調による褥瘡分類

皮膚壊死が真皮までにとどまる1度と2度を”浅い褥瘡”といい、真皮を越える3度と4度を”深い褥瘡”と大きく分けている。”深い褥瘡”の病気は、創面の色調に基づいて下記のように分類されている。
深さ 黒色期 黒く乾燥した壊死組織 黄色期 黄色い壊死組織 赤色期 肉芽組織の形成 白色期 表皮の形成
創の清浄化
創の清浄化 滲出液のコントロール
湿潤環境の維持 滲出液のコントロール 創の保護
湿潤環境の維持 創の保護
  ※創または滲出液の状態に合わせて、適したドレッシングをお選び下さい。
滲出液レベル 黒色期 黒く乾燥した壊死組織 黄色期 黄色い壊死組織 赤色期 肉芽組織の形成 白色期 表皮の形成
創の清浄化
創の清浄化 滲出液のコントロール
湿潤環境の維持 滲出液のコントロール 創の保護
湿潤環境の維持 創の保護
・ハイドロサイトAD ・アルゴダーム(R)
・イントラサイト ジェルシステム ・ハイドロサイトAD
・イントラサイト ジェルシステム ・イントラサイト ジェルシステム ・イントラサイト ジェルシステム
外用薬 ・ユーパスタ ・カデックス ・ゲーベンクリーム ・テラジアパスタ ・ソフラチュール等 ・カデックス ・ゲーベンクリーム ・テラジアパスタ等 ・滲出液コントロール : カデックス等 ・アクトシン軟膏 (肉芽組織の盛り上がりの多い時) ・アズノール軟膏 ・フィブラストスプレー (表皮形成や肉芽形成、血管新生などを促します) ・オルセノン軟膏 (肉芽組織の盛り上がりが少ない時) ・イサロパン等 ・アクトシン軟膏 ・アズノール軟膏等
OTC ・クロマイ-N軟膏 ・コーフル ・テラマイシン軟膏 ・テラ・コートリル軟膏 ・ドルマイコーチ軟膏 ・ドルマイシン軟膏
 

深達度(深さによる褥瘡分類)

IAET分類に準じた「褥瘡の予防・治療ガイドライン」に記載された分類では、その深さによって1度から4度に分けられ、この段階ごとに治療方法が異なる。
創の深さⅠ・Ⅱ
【1】 【2】
発赤のみ
皮膚損傷はないが指で押しても白く退色しない紅斑がある
水疱、びらん
表皮~真皮にいたる浅い皮膚欠損創
創の深さⅢ・Ⅳ
【3】 【4】
皮下組織に至る全創欠損
ポケット形成がみられることがある
筋層、骨に至る全創欠損創
ポケットや空洞がみられる

褥瘡(床ずれ)の治療

急性期の褥瘡(床ずれ)
発症間もない為、深達度、範囲が不明な時期で、創の保護、細菌感染防止、疼痛対策に重点をおいて治療する。
外用薬 : 抗菌作用をもつ油性軟膏やゲーベンクリーム等 ドレッシング : ポリウレタンフォーム、ポリウレタンフィルム等
慢性期の浅い褥瘡(床ずれ)<深度は1、2度>
治療が進むにつれて、創面が黒色-黄色-赤色-白色の順に変化する。ガイドラインでは創面の色調による病期分類に従って、それぞれに適した治療法を定めている。
黒色期
壊死組織は細菌増殖に好都合の場で、治療を遅らせる原因となるので、創を覆っている黒色の壊死組織を除去する必要がある。除去にはいくつかの方法があり、壊死組織と正常組織との境界が明確な場合にハサミやメスで除去する外科的デブリトマン、壊死組織の蛋白などを分解するバリターゼ等の酵素製剤などを使用する化学的デブリドマン、水性ポリマビーズを用いて壊死組織や細菌を吸着するデブリドマンなどがある。
化学的デブリドマン : ブロメライン軟膏、エレース末、フランセチン・Tパウダー等
感染対策 : ユーパスタ、カデックス、ゲーベンクリーム、テラジアパスタ、ソフラチュール等
黄色期
黄色の壊死組織や、感染し易く上皮形成しにくい不良肉芽を取り除く。滲出液が多いので、酵素剤以外にデブリサンなどの吸水性ポリマーで滲出液を吸収、壊死組織を除去する。感染に対しては抗菌剤あるいは消毒剤入りの外用剤を用いるか、抗菌剤を全身投与する。
化学的デブリドマン : ブロメライン軟膏、エレース末、フランセチン・Tパウダー等
自己融解デプリドマン : ハイドロジェルドレッシング等
感染対策 : カデックス、ゲーベンクリーム、テラジアパスタ等
滲出液コントロール : カデックス等
赤色期
赤くやわらかい顆粒状の肉芽は脆く、すぐ出血するので、消毒時の綿球などによる摩擦は避ける。肉芽の増殖形成のため、フィブラストスプレーなどを使用する。また創内の湿潤環境を保つことで上皮細胞の遊走が起こり上皮化が促進するので、ハイドロコロイド等のドレッシング材を用いる。肉芽が盛り上がってくれば、上皮形成を進めるアクトシン軟膏などを用いる。
・肉芽組織の盛り上がりが少ない赤色期褥瘡
外用薬 : オルセノン軟膏、リフラップ軟膏等
・肉芽組織が創をほぼ満たしている赤色期褥瘡
外用薬 : アクトシン軟膏、アズノール軟膏、イサロパン等
ドレッシング : ハイドロコロイド、ハイドロジェル、ポリウレタンフォーム、ハイドロファイバー、ハイドロポリマー等
白色期
創部の収縮・上皮化促進を図るためフィブラストスプレーなどを使用する。まだポリウレタンフィルム等のドレッシング材で保護および創内の湿潤環境を保つ。
外用薬 : アクトシン軟膏、アズノール軟膏等
ドレッシング : ハイドロコロイド、ポリウレタンフィルム、ハイドロファイバー、ハイドロポリマー等
Now Loading...

Now Loading...