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褥瘡(床ずれ)外用剤

外用剤には様々なものがあります。壊死組織の除去、細菌感染の抑制、肉芽形成、保湿により創部を保護するものなどがあります。
創面(傷口)の状態や患者の全身状態に応じて、適切な薬剤を使い分けることが大切です。


外用剤(塗り薬)一覧

褥瘡は創面の色や状態を把握して症状に合わせたケアが必要です。


滲出液レベル:白色期 表皮の形成 湿潤環境の維持・創の保護に
特 徴 製 品 名 成 分
皮膚の化膿症状に クロマイ-N軟膏 1g中:クロラムフェニコール 20mg、硫酸フラマジオマイシン 5mg、ナイスタチン 10万単位
化膿を伴うしっしん・皮膚炎に クロマイ-P軟膏AS 1g中:クロラムフェニコール20mg(力価)、フラジオマイシン硫酸塩5mg(力価)、プレドニゾン3mg
親水性基材使用。皮膚の化膿症状に クロロマイセチン軟膏2% 1g中:クロラムフェニコール20mg(力価)
床ずれのケアができる治療薬。 コーフルS 100g中:アクリノール0.5g、酸化亜鉛5.0g
化膿性皮ふ疾患治療薬 コーフル 100g中:アクリノール0.5g、酸化亜鉛5g
二つの抗生物質が化膿に効く テラマイシン軟膏a 1g中:オキシテトラサイクリン塩酸塩 30mg(力価)、ポリミキシンB硫酸塩 10,000単位
化膿をともなう湿疹、皮膚炎に テラ・コートリル軟膏a 1g中:オキシテトラサイクリン塩酸塩30mg(力価)、ヒドロコルチゾン10mg
化膿を伴う湿疹、皮膚炎などに ドルマイコーチ軟膏 1g中:バシトラシン 250単位、フラジオマイシン硫酸塩 3.5mg(力価)、ヒドロコルチゾン酢酸エステル 2.5mg
けが等の化膿予防及び治療に ドルマイシン軟膏 1g中:硫酸コリスチン(硫酸コリマイシン)50000単位、バシトラシン250単位
湿疹・かぶれ・皮膚炎に フルコートF軟膏 1g中:フルオシノロンアセトニド(合成副腎皮質ホルモン)0.25mg、フラジオマイシン硫酸塩3.5mg(力価)
化膿性皮膚疾患、とびひに ポリベース スルファジアジン5%、塩酸ジフェンヒドラミン1%、酸化亜鉛5%(乳剤性基剤)
化膿してジュクジュクしている傷に ポリ スルファジアジン5.0%、ジフェンヒドラミン0.5%、酸化亜鉛20.0%(水溶性基剤)


分 類 基剤の種類 外 用 剤 薬 効 分 類








鉱物性
動物性基剤
白色ワセリン
プラスチベース
単軟膏
亜鉛華軟膏
亜鉛華軟膏 酸化亜鉛
アズノール軟膏0.033% ジメチルイソプロピルアズレン
プロスタンディン軟膏0.003% アルプロスタジルアルファデクス








水中油型
(O/W型)
親水軟膏
バニシングクリーム
オルセノン軟膏0.25% トレチノイントコフェリル
ゲーベンクリーム1% スルファジアジン銀
油中水型
(W/O型)
吸水軟膏
コールドクリーム
親水ワセリン
ラノリン
リフラップ軟膏5% リゾチーム塩酸塩
ソルコセリル軟膏5% 幼牛血液抽出物




マクロゴール軟膏 アクトシン軟膏3% ブクラデシンナトリウム
アルキサ軟膏2% アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート
ブロメライン軟膏5万単位/g ブロメライン
マクロゴール軟膏(+白糖) ユーパスタコーワ軟膏 精製白糖・ポビドンヨード
マクロゴール600(+ビーズ) デプリサンペースト デキストラノマー
マクロゴール(+吸水性ポリマー) ヨードコート軟膏0.9% ヨウ素
マクロゴール(+ビーズ) カデックス軟膏0.9% カデキソマー・ヨウ素


褥瘡(床ずれ) 外用剤詳細

一 般 名 褥瘡に対する用途
スルファジアジン ブドウ球菌、大腸菌等に抗菌力を有する水溶性基剤のサルファ剤軟膏。
スルファジアジン銀 グラム陽性菌、緑膿菌を含むグラム陰性菌、真菌等に幅広い抗菌作用を持つ乳剤性軟膏で、基剤には55~60%の水が含まれている。黒色壊死組織の辺縁を湿潤により浮き上がらせ、創を覆っている壊死組織を、ハサミやメスで取り除く外科的デブリドマンを用意にする。
硫酸フラジオマイシン 硫酸フラジオマイシンはグラム陽性・陰性菌等に抗菌作用を有する抗生物質である。
フラジオマイシン・トリプシン 硫酸フラジオマイシンと壊死組織の除去を図るために蛋白分解酵素であるトリプシンが配合されている。
ブロメライン 壊死組織の除去を測る蛋白分解酵素である。淡褐色の水溶性軟膏で親水性基剤のため、ある程度滲出液が多い創にも使用できる。
ストレプトキナーゼ・
ストレプトドル
線維素溶解酵素ストレプトキナーゼと蛋白溶解酵素ストレプトドルナーゼを含有する粉末製剤で、生理食塩液に溶解して用いる他、直接創内に散布するか、ゼリー状にして使用する。化学的デブリドマンによって創部の清浄化を図り、肉芽形成や上皮形成に適した創環境をもたらす。フィルムドレッシングとの併用によって湿潤環境を維持でき、効果が得られやすい。
フィブリノリジン・
デオキシリボヌクレアーゼ
血液凝固物及び線維性滲出液を溶解するフィブリノリジンと膿性滲出液の粘稠度を下げるデオキシリボヌクレアーゼの親水性の粉末製剤である。
アルミニウムクロロヒドロキシ
アラントイネート
線維芽細胞増殖・結合識代謝・血管新生促進作用と滲出液吸着作用があり、分泌液が多い褥瘡に適している。
塩化リゾチーム 塩化リゾチームは細菌を融解する酵素であるが、肉芽形成促進作用を持つ。軟膏剤は乳剤性基剤で油分が多く、水分は約23%と少ない。シート剤もあり、浅い潰瘍で壊死組織がない場合には簡便に使用できる。
トレチノイントコフェリル 創部に出現するマクロファージ、線維芽細胞及び血管内皮細胞に作用し、肉芽形成を促進する。創面からは吸収されず、創表面に留まって強い肉芽形成促進作用を示す。黄色クリーム状軟膏で滲出液や膿性分泌液の吸収・吸着はないが、基剤中に含有される水分で湿潤を与える。
ブクラデシンナトリウム 局所血流障害を改善する薬剤で、血管新生、肉芽形成を促進する。マクロゴールを基剤とする半透明水溶性軟膏で、基剤に吸水性を有するため滲出液を吸収する。
ヨウ素 基剤のカデキソマーは、自重量の約7倍の吸水性を有する多孔性ポリマービーズで、一定量のヨウ素を徐々に放出し持続的な殺菌作用がある。吸水能が強いため、通常は1日1回の外用でよく、また交換時には必ず生理食塩液で十分に洗浄し、ビーズを洗い流す。
白糖・ポピドンヨード 白糖は高浸透圧による滲出液吸収によって局所の浮腫を軽減し、肉芽形成を促進する。またポピヨンヨードは一般細菌や真菌などに殺菌作用があり、感染のコントロールに優れる。多滲出液創、浮腫を伴う創に適している。
アズレン 抗炎症作用主体の油性軟膏で、びらんや浅い潰瘍に使用される。
亜鉛華軟膏 皮膚の蛋白と結合して被膜を形成して収斂、消炎、保護、緩和な防腐作用を現す。黒色期壊死組織を軟化させて、除去を行いやすくする。軟膏剤は油性基剤の白色軟膏である。
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