授乳中に必要な栄養素12種まとめ

授乳中、特に生後半年以内の新生児が母乳から摂取する栄養は、発育に必要なものがたくさん含まれています。

ママの身体に必要な栄養素が不足すると、母乳の生成が少なくなるばかりか、母子共に体調不良になるばかりか、赤ちゃんの発育に遅れが生じたり、免疫力低下によるアレルギーなどを発症しやすくなってしまいます。

母乳を通して栄養を持っていかれがちなこの時期は、特に必要な栄養をしっかり適量分、摂っておく必要があります。本記事では、授乳中に必要な栄養素をまとめています。

母乳を通して乳児に届く必要な栄養素

葉酸

妊娠中から特に必要とされているビタミンの一種で、赤ちゃんの成長に役立つ大切な栄養素です。

母乳は血液からつくられるため、葉酸は妊娠中のみならず、産後・授乳期も積極的にとりたい栄養素です。また、ビタミンB12とともに赤血球を作るので、造血のビタミンといわれています。

血のめぐりが良くなることで、酸素や栄養素がしっかりと全身に行き届くので、体調不の改善にもつながります。貧血の防止にも効果が期待できます。

 

葉酸の1日の摂取量・目安と上手な摂取方法

授乳中の推奨摂取量は340μg。上限1000μg。
葉酸には、天然由来のポリグルタミン酸と、合成葉酸であるモノグルタミン酸があります。

ポリグルタミン酸は、食事で摂取できる天然の葉酸ですが、食材に含まれている葉酸の約半分程度しか体内に取り込めません。


食事のみで必要量を摂取するには、生の緑黄色野菜を大量に食べないといけないため、
毎日必要量を摂取するには、かなりハードルが難しいです。

一方、サプリメントなどに含まれるモノグルタミン酸は、摂取した葉酸の約85%が体内へ取り込まれます。

サプリメントであれば1日数粒で必要量を摂取できるため、
妊娠中に引き続き、授乳中も葉酸サプリメントを活用した方が、摂取不足による心配はなくなります。


但し過剰摂取にならないよう、食事とのバランスを考える必要があります。

葉酸の摂取不足と過剰摂取について

授乳中に葉酸が不足した場合、下記のような弊害が起こる可能性があります。

  • 母乳が出にくくなる。
    • 栄養が母乳を通して外に出ないため、産後太りになりがち。
  • 赤ちゃんが母乳を飲まなくなる。
    • 母乳に栄養が行き届かず、味が不味くなる。
  • 赤ちゃんの発育が遅れる。
    • 細胞分裂が上手くいかず、身長や体重が伸びにくくなる恐れがある。
    • 目や耳などの五感や知性の発達が遅れる恐れがある。
  • 貧血になる。
    • 葉酸は血液を生成する脊髄を活性化する働きがある。
  • 産後の子宮回復が遅れる。
  • 精神的に不安定になりやすく、産後うつになる可能性が高まる。

授乳中に葉酸を過剰摂取した場合、下記のような弊害が起こる可能性があります。

  • 発熱、食欲不振、嘔吐、むくみ、かゆみ、じんましん、不眠症など。

※ビタミンB群の一つである葉酸(ビタミンB9)は、水溶性ビタミンのため、体内で摂りすぎた分の葉酸はほとんどは尿とともに排出されますが、妊娠中・授乳中の葉酸の過剰摂取・摂取不足は、赤ちゃんにも悪影響を与えるため十分注意してください。

 

葉酸と一緒に摂った方が良い栄養素

・亜鉛(1日あたりの推奨摂取量は11mg。上限は35mg。)

・ビタミンB2(1日あたりの推奨摂取量は1.8mg。上限は特になし。)

・ビタミンB6(1日あたりの推奨摂取量は1.5mg。上限は45mg。)

・ビタミンB12(1日あたりの推奨摂取量は3.2μg。上限は特になし。)

・ビタミンC(1日あたりの推奨摂取量は145mg。上限は特になし。)


鉄分

授乳中はママの体内から鉄が優先して母乳に移行し赤ちゃんに届けられるため、授乳中のママは特に鉄が不足しやすいです。

鉄分が足りないと、ママが鉄欠乏性貧血となったり、母乳のみを栄養源として成長している赤ちゃんの発達にも影響します。
血液の成分に欠かせない鉄は、授乳中に十分に摂取する必要があります。

鉄分の1日の摂取量・目安と上手な摂取方法

授乳中の推奨摂取量は8.5~9mgを推奨。
但し月経中は、さらに鉄を必要とするため12mgを推奨。(摂取上限は40mg)

鉄分には、ヘム鉄(動物性鉄分)と非ヘム鉄(植物性鉄分)があります。

動物性のヘム鉄は、体内に吸収しやすい鉄分で、吸収率は15~30%程です。植物性の非ヘム鉄は、体内に吸収しにくい鉄分で、吸収率は約5%程度です。

ヘム鉄は動物性のため脂質やカロリーが多く、摂取しすぎると肥満に繋がりやすいですが、食事で鉄分を摂るなら、なるべく脂身の少ない肉や魚、貝類を食べるとよいです。

非ヘム鉄は、ビタミンCと動物性たんぱく質を同時に摂取すると吸収が良くなるため、ヘム鉄を含む肉や魚と一緒に摂る事で、鉄分の吸収量と吸収率が上がります。

一方、食物繊維やタンニン、カフェインを食事と同時に非ヘム鉄を摂ると、鉄分の吸収が阻害されてしまいます。
タンニンやカフェインは、コーヒー、紅茶、お茶などにも含まれているため、食事と一緒に飲む際は注意が必要です。

鉄分の摂取不足と過剰摂取について

授乳中に鉄分が不足した場合、下記のような弊害が起こる可能性があります。

  • 母子共に貧血になる(鉄分性欠乏症)
    • 赤ちゃんが貧血になると、元気がなくぼーっとしていたり、顔色が悪く、情緒不安定になりがち
    • ママが貧血になると、眩暈や立ち眩み、身体がだるくなる、顔色が悪く、情緒不安定になりがち

授乳中に鉄分を過剰摂取した場合、下記のような弊害が起こる可能性があります。

  • 嘔吐や下痢など

食事で過剰摂取になる可能性はほぼありませんが、サプリメントの服用による過剰摂取は考慮する必要があります。少しでも身体に異変を感じたら、すぐに服用を中止してください。

 

鉄分と一緒に摂った方が良い栄養素

・葉酸(推奨摂取量は340μg。上限1000μg。)
・タンパク質(推奨摂取量は70g。上限は特に設けられていないが、摂りすぎると肥満や臓器に負担がかかる)
・ビタミンC(1日あたりの推奨摂取量は145mg。上限は特になし。)
・ビタミンB12(1日あたりの推奨摂取量は3.2μg。上限は特になし。)


DHA

赤ちゃんの脳の発達にとって大変重要な栄養素です。
産まれてきた赤ちゃんが成長する1年は、脳が作られる大事な時期でもあり、細胞の機能を正常に保つためにも、必須脂肪酸であるDHAの摂取は不可欠です。
ママがDHAを摂取することにより、母乳を通して赤ちゃんが摂れることになります。

DHAの1日の摂取量・目安と上手な摂取方法

授乳中の推奨摂取量は1,000mg。上限は特になし。

脳の発達にとても重要な栄養素であるDHAは、学習能力、記憶力、視力の向上。アレルギー予防などの効果が見込まれます。

DHAは、主に青魚に含まれておりますが熱を通すことで、減少してしまいます。食品から効率よく摂るためには、生の刺身などで食べるのが一番です。

生魚が苦手な方は、煮物にして出汁も一緒に摂ることで、効率よく摂取することができます。
またサバやイワシの水煮缶詰は、授乳時に必要な1日の摂取量1,000mgを一缶(100g以上)で摂る事ができます。

▼DHAを多く含む魚クジラ、本マグロ、ブリ、サンマ、ハマチ、イワシ、アジ、ウナギ、サバ※油がのっている魚ほどDHAが多い傾向にある。

クジラとウナギは、メチル水銀の含有量が比較的多いため注意してください。(下記参照)

DHAの摂取不足と過剰摂取について

授乳中にDHAが不足した場合、下記のような弊害が起こる可能性があります。

  • 脳が十分に発育するまでの期間に遅れが生じる。
  • アレルギー症状が起きやすくなります。
  • 障害が起こりやすくなる。

授乳中にDHAを過剰摂取したとしても、特に健康被害が起こった事例はありません。ただしメチル水銀を多く含む魚を多く食べる方は、注意が必要です。

メチル水銀を多く含む魚に注意!

DHAは青魚に多く含まれる事で知られていますが、注意すべき点としては「メチル水銀」です。メチル水銀は主に青魚に含まれており、人間の中枢神経に害を及ぼす毒性を持っています。

妊婦さんや授乳中の方が、メチル水銀を含有している食品を基準値以上に摂取すると、特に胎児の脳や中枢神経(主に知覚など)に悪影響を及ぼすリスクがあります。また乳児も母乳を通して、同様の悪影響を及ぼす可能性があります。

http://www.fsc.go.jp/sonota/6gou_3.pdf

魚介類等に含まれるメチル水銀を考える。 – 食品安全委員会

下記の魚を食べて、直ちに害が及ぶという事はありませんが、食べ続けると母体から赤ちゃんに流れるリスクが高まり、悪影響を及ぼす要因となる可能性があります。授乳中、特に妊婦さんは胎児に影響が出やすいため、なるべく避けた方がいいでしょう。

▼メチル水銀の含有量が多い魚本マグロ、キハダマグロ、キンメダイ、カジキ類(特にメカジキ)、メバチマグロ

他にも食べる機会は少ないかと思われますが、バンドウイルカ、コビレゴンドウ、イシイルカなども、メチル水銀が多いです。※大型で長寿の魚ほど、メチル水銀の含有量が多い傾向にある。

詳しくは下記、厚労省の調査結果をご確認ください。

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/050812-1-05.pdf

魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ) – 厚生労働省
 

魚が苦手な人が摂った方が良いもの

DHAサプリメントは、魚の油から製造しているため、多少生臭いニオイがするのが一般的です。魚が苦手な方や生臭さが気になる方は、エゴマ油や亜麻仁油を摂るとよいです。

エゴマ油や亜麻仁油には、α-リノレン酸が含まれています。α-リノレン酸の一部は体内でEPAに変化し、その後DHAにも変化します。

ただし熱に弱いため、サラダなどのドレッシング代わりにかけて、そのまま食べるのが望ましいです。

なおα-リノレン酸・DHA・EPAは、「オメガ3」と呼ばれる体内で生成することができない脂肪酸の一種で、動脈硬化や血栓、血圧の上昇を防ぐ効果があります。


カルシウム

授乳期ママは母乳作りのために大量のカルシウムを失いやすく、骨や歯がもろくなりがちですので、それを補う必要があります。
また、血液をサラサラに良質なものにしてくれる栄養素です。
赤ちゃんと同様に、カルシウムが不足するとママもイライラしやすくなり、情緒不安定になります。カルシウムは神経の興奮を抑えてくれる働きがあります。

 

カルシウムの1日の摂取量・目安と上手な摂取方法

妊娠中・授乳中であるなしに関わらず、女性の推奨摂取量は1日650mgを推奨。上限摂取量は、1日2,500mg。授乳中は特にカルシウムを消費するため、1日1,000mgの摂取を目標に。

カルシウムは体内への吸収が非常に悪いです。コップ1杯の牛乳に含まれるカルシウム量は、およそ200~220mg程度ですが、体内に吸収されるのはその4割程です。

カルシウム量と吸収率が割と多い牛乳でも、コップ1杯200mgの牛乳を8杯は最低飲まないといけない計算になります。(魚や野菜にもカルシウムは含まれますが、カルシウムの量も吸収率も牛乳に劣ります。)

現実的に推奨摂取量のカルシウムを食事だけと摂るのは難しいため、サプリメントを併用することを推奨します。

また、カルシウムの吸収率を上げる栄養素と一緒に摂るのが効率的です。カルシウムの吸収を良くするための栄養素としては、ビタミンD、ビタミンC、マグネシウムなどがありますので、それらと一緒に摂りましょう。

カルシウムの摂取不足と過剰摂取について

授乳中にカルシウムが不足した場合、下記のような弊害が起こる可能性があります。

  • カルシウムは骨や歯に貯蔵されるため、不足すると骨や歯が脆くなる。
  • 母乳にカルシウムが不足した場合、母体の骨や歯を溶かしてでも母乳にカルシウムを供給する。
  • 血液がドロドロになる。最悪、動脈硬化などに発展する可能性も。
  • 神経が過敏になり、イライラするようになる。(カルシウムには神経を鎮静化する効果がある)
  • ひどい場合は、意識を失ったり、筋肉や全身の痙攣が起こる事があります。

授乳中にカルシウムをサプリメントなどで過剰摂取した場合、高カルシウム血症という、血中カルシウム濃度が非常に高い状態になります。

初期症状としては、身体のだるさ。便秘、情緒不安定などがあります。重症化すると、尿路結石などの腎臓や泌尿器に関わる病気に発展する可能性があります。

 

カルシウムと一緒に摂った方が良い栄養素

・ビタミンD(推奨摂取量は340μg。上限1000μg。)
 →カルシウムの体内での吸収率を高めます。ビタミンDは、お日様に当たる事で体内生成ができる唯一のビタミンです。
  1日に5分から10分程度、日に当たるだけでも1日に必要なビタミンDを得ることができます。

・ビタミンK(推奨摂取量は70g。上限は特に設けられていないが、摂りすぎると肥満や臓器に負担がかかる)
 →摂取したカルシウムの骨への吸収を良くしてくれます。
  納豆に多く含まれている。

 

授乳中に控えるべきもの

授乳期に下記のものを摂りすぎると、母乳を通して乳児に悪影響が生じますので、なるべく控えるようにしましょう。

▼アルコール、カフェイン(お酒、コーヒー、紅茶、お茶など)
→乳児の脳に悪影響を及ぼします。

▼油っこいもの
→血液がドロドロになり、母乳の質(栄養・味)が悪くなる。

▼香辛料が多く使われたもの
→母乳の味に影響し、乳児が飲まなくなる可能性があります。

▼身体を冷やす食べ物(トマト・きゅうりなどの夏野菜)
→血流が悪くなり、母乳が出にくくなる。

▼もち米
→乳腺が詰まりやすくなる。

 

授乳中に飲んだ方がいい飲み物

ルイボスティーは、ビタミンやミネラル、鉄分も多く含んでいるだけでなく、ノンカフェインのため、授乳期に飲む物としては最適です。

食事を摂る際に、お茶を飲んでいた方は、ルイボスティーに変える事で、必要な栄養素を補給できますので試してみて下さい。

 

免疫力を高める栄養素が多く含まれる粉ミルク

現在市販されている粉ミルクは母乳よりも栄養価が高いものが多いですが、「免疫力」を上げる成分は、母乳に比べて粉ミルクに含まれている量が比較的少ないです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、免疫成分を自分で作り出すことができないため、数か月はお母さんの母乳から摂取します。

免疫力を上げる成分は、「初乳」と呼ばれる初めて母乳を与えてから5日前後のお乳に最も多く含まれていますが、次第に含まれる量が少なくなり、半年ほどでほぼ母乳に含まれなくなります。

生後半年以降は自分で免疫成分を作り始めますが、十分に作れるようになるまでには時間がかかります。その間色々な病気にかかりやすくなるため注意が必要な時期になります。

免疫成分を補う方法としては、免疫成分を多く含む粉ミルクを使うという手があります。

実は粉ミルクの中にも、免疫成分が多く含まれているものが存在します。なるべくは下記のような成分を多く含む粉ミルクを使う事で、不足時の免疫成分を補う事ができます。

免疫成分その1:ヌクレオチド

「ヌクレオチド」は、核酸という文字通り人間の核となる物質を構成する重要なものです。

核酸を必要量摂取することで、細胞の新陳代謝を活性化させ、新生児の場合は細胞を新しく生成し、成長するために必要です。

核酸は肉や魚などの動物性たんぱく質に含まれているため、大人は知らず知らずのうちに摂取していますが、不足すると細胞の新陳代謝が悪くなり、老化の原因にもなります。

新生児の場合、1日に必要な核酸の量は480mg。

その内の360mgは、幼児自身の肝臓や腎臓から生成されますが、残りの120mgは母乳に含まれる「ヌクレオチド」から摂取しています。

母乳100mgあたりに含まれるヌクレオチド含有量は約14mg。

この数字を見ると、母乳だけで相当な量を幼児に飲ませないと必要量に届かないですが、核酸はヌクレオチドだけでなく葉酸からも合成できるため、葉酸の必要摂取量を摂っていれば問題ありません。

核酸が不足すると、幼児の成長が遅れるだけでなく、免疫力が低下し、アレルギーやアトピー、気管支喘息などのⅠ型アレルギーにかかりやすくなります。

核酸は摂りすぎて何か副作用が起こるものでもないので、母乳に含まれている栄養量に不安があったり、母乳の出る量が少ないなどの場合は、核酸の合成要素となる葉酸やヌクレオチドを多く含む粉ミルク、または他の免疫成分が含まれている粉ミルクがおススメです。

すこやかM1

雪印ビーンスタークから発売されている「母乳に近い」成分を目指して作られた粉ミルクです。

「シアル酸」「ガングリオシド」といった他の粉ミルクにはない免疫成分を配合している他、RNAと呼ばれる核酸の一種「リボ核酸」が配合されている唯一の粉ミルクです。

ヌクレオチド含有量も100mgあたり、12.5mgと同量の母乳14mgよりもやや少ない配合量ですが、核酸の一種である「リボ核酸(RNA)」も14mg配合されているため、合成後の核酸も一緒に摂る事ができます。

▼アイクレオのバランスミルク

ヌクレオチドの含有量は、現在日本で市販されている粉ミルクの中では群を抜いています。

母乳100mgに含まれるヌクレオチド含有量は約14mgですが、アイクレオのバランスミルクには、20mgも配合されています。

しかしこの二つの粉ミルクには、もう一つ、重要な免疫力を持つ成分である「ラクトフェリン」が含まれていません。

免疫成分その2:ラクトフェリン

ラクトフェリンは、病原菌への感染をガードする力を持ったタンパク質です。

菌やウイルスに対するだけでなく、炎症やアレルギーも抑え、腸内環境も整えてくれるため、乳幼児だけでなく大人にも必要な栄養素です。

またフェリン(鉄)という名が示す通り、鉄分の吸収を良くしてくれる作用があります。

ラクトフェリンは大人の場合、サプリメントやラクトフェリン配合のヨーグルトで摂取出来ますが、健康体の成人であれば体内で合成されています。

赤ちゃんが摂取する場合は、母乳からになりますが、最も多く含まれているのは、初乳と言われる出産~5日までの母乳です。

初乳には含まれているラクトフェリンは、100gあたり600mg前後。その後通常の母乳では、100gあたり120mg~200mg程度と激減するため、少なくとも生後5日間の母乳は、赤ちゃんの免疫を作るうえでとても重要になります。

現在日本で市販されている粉ミルクで、ラクトフェリンが配合されているのは「はいはい」と「E赤ちゃん」です。

▼はいはい

粉ミルクの中では定番ですが、ラクトフェリンが配合されている数少ない粉ミルクの一つです。

100gあたり90mgと、母乳の同量あたりの配合量(120mg)に対して少ないですが、粉ミルクから摂取できる量としては、最も多い配合量です。

▼E赤ちゃん

E赤ちゃんは値段の高い粉ミルクですが、配合されている栄養素の種類が最も豊富です。

ラクトフェリンも配合されていますが、100gあたり50mgとハイハイに比べてやや少ないです。

E赤ちゃんの特徴としては、ミルクアレルギー対策がされている事です。

粉ミルクの主成分は、牛乳にふくまれるタンパク質から作られていますが、消化機能が未発達の赤ちゃんにとっては消化に負担がかかったり、アレルギーを起こす場合があります。

タンパク質は、ペプチドというものが結合して成り立っていますが、E赤ちゃんに含まれるミルクは、ペプチドの細かい状態で配合されています。

そのため非常に細かくした状態で、身体に入るため消化しやすくなります。

 

赤ちゃん用液体ミルクの販売が2019年春よりグリコから開始予定

赤ちゃん用液体ミルクの販売が2019年春よりグリコから開始予定

現在日本で販売されているのは粉ミルクだけですが、2019年春頃にグリコから、赤ちゃん用の液体ミルクが日本で初めて発売されます。

液体ミルクは、熊本地震や北海道地震の救援物資の一つとして、フィンランドから製品の液体ミルクが送られてきました。

封を切ればすぐに使えるため、特に災害時の備えとして、日本での正式な販売開始を求める声が強まっていました。

https://www.huffingtonpost.jp/2018/11/29/japan-milk-first_a_23604270/

▼日本初の乳児用液体ミルク、グリコが発売へ。使命は「赤ちゃんの命をつなぐこと」

 

授乳期に必要な栄養素 – まとめ

〇葉酸(1日あたりの推奨摂取量は340μg。上限1000μg。)→サプリメントでの摂取を推奨。

  • 亜鉛(1日あたりの推奨摂取量は11mg。上限は35mg。)
  • ビタミンB2(1日あたりの推奨摂取量は1.8mg。上限は特になし。)
  • ビタミンB6(1日あたりの推奨摂取量は1.5mg。上限は45mg。)
  • ビタミンB12(1日あたりの推奨摂取量は3.2μg。上限は特になし。)
  • ビタミンC(1日あたりの推奨摂取量は145mg。上限は特になし。)

〇鉄分(1日あたりの推奨摂取量は8.5~9mg。摂取上限は40mg。)
 ※但し月経中は、さらに鉄を必要とするため12mgを推奨。

  • 葉酸
  • タンパク質(1日あたりの推奨摂取量は70g。上限は特に設けられていないが、摂りすぎると肥満や臓器に負担がかかる)
  • ビタミンB12

〇DHA(1日あたりの推奨摂取量は1,000mg。上限は特になし。)

〇カルシウム(妊娠中・授乳中であるなしに関わらず、女性の推奨摂取量は1日650mgを推奨。)→サプリメントでの摂取を推奨。
 上限摂取量は、1日2,500mg。授乳中は特にカルシウムを消費するため、1日1,000mgの摂取を目標に。

  • ビタミンD(1日あたりの推奨摂取量は340μg。上限1000μg。)
  • ビタミンK(1日あたりの推奨摂取量は70g。上限は特に設けられていないが、摂りすぎると肥満や臓器に負担がかかる)